ひとばん寝かせたカレーはとてもおいしい

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鉄道の国イギリス滞在記(世界一周#2)🇬🇧

 

従姉妹の家にしばらく居候させてもらってから、一人旅に出発する。
従姉妹はめちゃかわいい。子供欲しいとか微塵も思わないけど自分の子がこれくらいかわいいならちょっと欲しい、いや普通に欲しいかもと思ってしまうレベル。
いいな〜

 

イギリスでは基本的に鉄道で移動することしかしていない。
外国人向けのフリーパス「ブリットレールパス」を使用してとにかく鉄道に乗り続ける。

このレールパス、ファーストクラス(日本でグリーン車に相当)に乗り放題で8日間49,800円というとんでもない値段をしている。
圧倒的に安すぎる。多分利益ほぼ出てなくて単体なら普通に赤字だと思う。

イギリスの鉄道の運賃は高い。ファーストクラスになると、一回の乗車で数万円する場合もある。そんなファーストクラスに乗り放題。2本ぐらい乗ればもう元取れる。

イギリスの鉄道のファーストクラスは、乗ると軽食とドリンクのサービスがある。

 

こんな具合。ドリンクは飲み放題。

オレンジジュースを頼みすぎてアテンダントさんがちょっと引いてた場合もあった。
このアジア人、何杯オレンジジュース飲むねん...。)みたいな顔をしていた。

さらに主要駅ではラウンジも使える。ラウンジではお菓子とドリンクが飲み放題。(オレンジジュースも!)

シャワーに入れるところもある。

 

物価の高いこの国で、食べ飲み放題のありがたみは非常に大きい。
いっぱい食べた。いっぱい飲んだ。

この特権を使用して、運賃だけで考えれば8日間で50万円分くらい乗車した。
私にとって、ブリットレイルパスはフリー乗車券であり、フリーお食事券でもある。

自由に色々と乗ったので、書けそうなところだけかいつまんで書いていく。

 

最北の町 Thurso(サーソー)

「最北」という言葉には惹かれる。何もない感のある街に何があるのか。あるいは本当に何もないのか。
稚内にはセイコーマートがあったが、イギリスの稚内には何があるのか。
鉄道の国というだけあって、最北の街まで鉄道が通じている。こんなに有難いことはない。
その町の名前は Thurso。

 

ホテルもとった。あとは行くだけ。

Inverness(インヴァネス)でFar North Lineに乗り換え。Farだからね。Far。Far Northに行くんですこれから。
ちなみに Inverness は日本語的には「インヴァ↓ネス」と読みたくなるが、現地発音は「インヴァ↑ネス」である。

 

Inverness を出てしばらくは人の営みが感じられるが

 

2時間もすると荒涼とした原野みたいなところをずっと走るようになる。
宗谷本線で言うなら抜海のあたりを1時間走り続けるみたいな感覚。
イギリスは山がないので車窓はずっと丘みたいな草地で、牛とか羊がよく放牧されているのを見る。(ただスコットランドはイギリスの中では比較的山がち)

 

川もご覧の通り、細い池と見紛うレベルの感じである。
大昔に日本に来た外国人が、日本の川を見て「これは川ではない、滝だ!」とかなんとか言ったというのを中学受験の時にやったが、その言葉の真意がわかった。
確かにこれに見慣れてたら日本の川は滝になるわ。

 

そうこうしているうちに Thurso についた。

 

最北端の駅で終端式のホームになっているものの、列車は Thurso が終点ではなく、このまま Wick というちょっと東の方にある街まで走る。
一個前の Georgemas Junction という駅で方向転換をする。そのため列車の停車駅順は、

Georgemas Junction → Thurso → Georgemas Junction → Wick という感じになる。折り返しも同じ形態になる。この Georgemas Junction 駅も原野の中に急に出現する興味深い駅なので、

 

降りてみた(翌日)

本当に何もない。日本語で言うなら「糠南レベル10」だ。
貨物の取り扱いをしているようで、旅客ホームの対岸にデカい貨物ヤードがあるが、こんな原野から何を積み込むのだろうか。

 


周りに人家はなく、一本の道路が通っているだけなのも、糠南にそっくり。
本当に何もないのだが、それを求めて降りたので、期待通りで満足した。

さて、Thurso の話に戻るのだが

 

Thurso は小さな港町で、カモメだかウミネコだかが鳴いている声がどこでも聞こえる。静かで海風がたなびいていて、涼しくていいところ!

 

夕飯は地元のフィッシュ&チップス屋さんでサーモンのフィッシュ&チップスを Take Away した。10ポンド(1,800円くらい)
いい値段する。

 

味は美味しい。絶品ではないけど、イギリスなのでそんなもんだと思う。
オレンジジュースはコープ(スーパー)で購入。足りないので途中から水道水を加えて量を増やしてチビチビ飲んだ。
なんでファーストクラスの Passenger がジュースを水でかさ増しするような貧乏臭い真似をしなければならないのか。

 

翌日の朝ごはん。宿泊料金に含まれているので一番高いやつにした。スコットランド伝統のBreakfast。
美味しくない寄りの美味しい。

 

帰りの列車。一日4本しかないのでその日中にデカめの都市には出られず、この日は Dalwhinnie(ダルウィニー)という小さな村に泊まった。

 

駅(夜/朝)
当然、無人駅。駅前にホステルが一軒、小さなカフェレストランが一軒あり、あとは個人宅が道路沿いに少しあるだけの本当に小さな村。
ショップとかストアの類はない。
あ、ワインがちょっと有名なようでワイナリーとワインの直売所はあるらしい。

 

馬はいる。ボーッと突っ立ってどこかを見ている。
ねぇ。業務委託契約結ばない?

 

きれいなホステル。オーナーさんはめちゃ親切で(Googleのレビューにも書いてあった)、列車の到着時間に合わせて駅の前で出迎えてくれた。

 

お腹がめちゃ空いており、朝食として村唯一のお店のカフェレストランに入り、なんとかパイとレモネードを頼んだ。13ポンド(2,400円くらい)
表参道で食うのと同じくらいする。
このレモネードは炭酸が主張しすぎないおいしいレモネードだった。パイは美味しいが絶品ではない、「イギリスでの」「とても美味しい」。

 

時間がもう少しあったので食べたスコットランドのアイスクリーム。普通の濃いミルクアイスだった。
これは美味しかったけどおじさんはMOWや牧場しぼりとの違いがわからない。

 

国立鉄道博物館

York(ヨーク)というところにイギリスの国立鉄道博物館(National Railway Museum)がある。
鉄道オタクなので行った。

 

我らが0系新幹線が英国の荘厳な車両たちに並んで堂々の展示。我が国の誇りである。

 

でこの鉄博、結論から言えばつまらなかった。多分、日本の鉄道博物館に慣れているJap Otakuは、みんな物足りないと思うと思う。

どうしてつまらないかというとそれはちゃんとした理由があって

  1. 機関車の展示が多い
  2. 鉄道文化に関する展示がない

となる。

1つ目に関しては、欧米の鉄道が動力集中方式の場合が多いから、機関車と客車が別々の発達を遂げてきたという点で致し方ない。日本だと先頭車を展示するだけで顔と中身を同時に拝見できるのであるが、こっちだと先頭車=機関車なので、自ずと機関車の展示が多くなってしまう。そして私は機関車にそれほど興味がない。

2つ目に関してはちょっと残念である。鉄道を構成するのは車両だけではない。駅、信号設備、切符、駅弁、制服、運行系統、路線の新設や廃止など、鉄道には色々な側面がある。日本の鉄道博物館はどこに行っても、そういった鉄道文化に関する展示が充実している。

こっちの鉄博は、車両をドドドドンと展示しているだけではいおしまいなので、これは物足りない。イギリスの鉄道がどのような発展を遂げてきたのか知りたかったのに、馴染みのない車両だけ見せられてもう〜〜〜ん。

鉄博に1日使うつもりでプランを組んでいたのに、興味のあるところを余すところなく見ても1時間とちょっとで出てきてしまった。午後の時間が丸々余ったので

 

ドーバー港とホワイトクリフ

に行った。ロンドンからは電車で1時間くらいで行ける。

ホワイトクリフというのはその名の通り、白い崖。ドーバーはイギリスのグレートブリテン島の南東端にあり、大陸との玄関口として機能してきた港。

 

駅から40分くらい歩いて、ちょっと山登りして、高台に出るとドーバー港の全景が見える。
でかい。でも横浜港とかの方がデカそうだな(謎のマウント
そしてその後ろに

 

このような白い崖(ホワイトクリフ)がそびえる。

かつて船でイギリスに来る人は、まずこの白い崖を見て「はぁ、イギリスに着いたんだな」と思い、また、船でイギリスから発つ人は、この白い崖に別れを告げ、帰ってくるときには、この白い崖を見て、「あぁ、祖国に帰ってきたんだな」と思ったらしい。

そんな歴史を感じるこのドーバーとホワイトクリフ、正直そんなに期待していなかったのだが、想像以上によかった。

まず鉄博のついでということで、到着が夕方の18時ごろになってしまったのだが、これがよかった。公園のセンターとかショップは17時で閉まってしまうので、大勢の観光客とちょうど入れ替わりの形になり、人が少ない状態で見られた。そして天気にも恵まれ、水平線の向こうにはフランスが見えた。

ホワイトクリフは自然の素晴らしさを感じられ、ドーバーの港はホワイトクリフの故事と合わせて、見るだけで歴史に思いを馳せることができる(ほんとうに)。1粒で2度おいしい、アーモンドグリコのようなスポットだ。観光に基本興味ないけど、ここは訪れるべきだと思った。来てよかったと思える観光地に久々に行けた気がする。おすすめ。

鉄博よりいいよ。