2022年2月1日~3月17日の期間で、稚内→肥前山口の最長片道切符(JR版・BRT除く)に挑戦してきた。
最長片道切符についての説明については親切丁寧な他サイトさまに任せることにして、
ここでは費用と経路などについて振り返っていこうかなと思う。
最長片道切符(アンサイクロペディア)←これが親切丁寧なのかについては議論の余地がある
費用について
最長片道切符の行程は45日間で、その間にかかった費用は262,804円であった。
最長片道切符 :73,040+330円(※1)
新幹線特急料金:22,000円
宿泊費 :92,251+5,616円(※2)
食費 :46,362円
観光費 :18,640円
その他雑費 :4,565円
合計 :262,804円
(※1)
発券時の私のルート指定ミスにより、本来辰野ー岡谷ー塩尻と行かなければならない区間を、岡谷を経由せずに発券してしまった。(くそーーー!!!)
そのため、新たに岡谷経由で辰野ー塩尻間の乗車券を買い足して、この区間を乗車した。
※このミスによって、この切符は厳密には「最長」片道切符ではなくなってしまった
(※2)
ルート外駅最寄りの宿泊施設に宿泊する場合の、ルート内駅から当該駅までの交通費を別計算として加算した。
日にちで割ると5,840円となる。
交通費・観光費用などを抜いた、生存に必要な費用は45日間で138,613円で、日にちで割ると3,080円となった。
アンサイクロペディアには「この巡礼に挑むにあたっては、最低でも200万円が必要と考えるべきである」と記載があるが、はっきり言ってそんなに必要ない。
若くて体力があれば50万円もあれば十分足りるだろうし、100万円あればかなり贅沢な旅行が楽しめるのではないかと思う。
(「贅沢な旅行」の定義が人によって違うことには留意する必要がある)
お金の使い方については、「ケチるところはケチる、使うところは使う」のスタンス。
ケチるところ→宿泊・食事・移動(徒歩1時間くらいまでの移動なら基本徒歩)
使うところ→観光地の入場料・観光地までの交通費・観光地での飲食など
それから「やらなかったら後悔する」と思った体験には、多少高いと感じてもお金を払った。
あと特記すべき事項として、今回は新幹線区間を除いて特急を一切使っていない。
完全に鈍行列車のみを使用しているので、移動に関わるお金は最低限になっているはず。
ただし、特急を使用してショートカットしたほうが宿泊費を考えると安上がりな区間(宗太郎越えのところとか)もあるので、
一概に特急を使わないことが節約に繋がるかというと、そんなことはないと思う。
経路について
今回の最長片道切符旅行では以下のように宿泊した。
【経路】(路線名等は非正確な記載)
稚内(宗谷本線)新旭川(石北本線)網走(釧網本線)東釧路(根室本線)新得(根室本線)富良野(富良野線)旭川(函館本線)岩見沢(室蘭本線)沼ノ端(千歳線)白石(函館本線、渡島砂原経由)新函館北斗(北海道新幹線)新青森(奥羽本線)川部(五能線)東能代(奥羽本線)秋田(羽越本線)坂町(米坂線)米沢(奥羽本線)大曲(田沢湖線)盛岡(東北本線)花巻(釜石線)新花巻(東北新幹線)北上(東北本線)一ノ関(東北新幹線)古川(陸羽東線)小牛田(石巻線)石巻(仙石線)仙台(東北新幹線)福島(東北本線)岩沼(常磐線)いわき(磐越東線)郡山(磐越西線)新津(信越本線)長岡(上越新幹線)新潟(越後線)柏崎(信越本線)宮内(上越線)越後川口(飯山線)飯山(北陸新幹線)上越妙高(北陸新幹線)糸魚川(大糸線)南小谷(大糸線)松本(篠ノ井線)篠ノ井(信越線)長野(北陸新幹線)高崎(上越新幹線)越後湯沢(上越線)新前橋(両毛線)小山(東北本線)安積永盛(水郡線)水戸(常磐線)新松戸(武蔵野線)南浦和(京浜東北線)赤羽(埼京線)池袋(山手線)田端(京浜東北線)秋葉原(総武線)佐倉(成田線)松岸(総武本線)成東(東金線)大網(外房線)安房鴨川(内房線)蘇我(京葉線)東京(中央本線)西国分寺(武蔵野線)武蔵浦和(埼京線)大宮(高崎線)倉賀野(八高線)拝島(青梅線)立川(南武線)武蔵小杉(横須賀線)品川(東海道本線)川崎(南武線)尻手(南武線)浜川﨑(鶴見線)鶴見(東海道本線)横浜(根岸線)大船(東海道本線)国府津(御殿場線)沼津(東海道本線)富士(身延線)甲府(中央本線)八王子(横浜線)新横浜(東海道新幹線)小田原(東海道本線)三島(東海道新幹線)静岡(東海道本線)豊橋(飯田線)辰野(中央本線)岡谷(中央本線)塩尻(中央本線)名古屋(関西本線)亀山(紀勢本線)新宮(紀勢本線)和歌山(和歌山線)高田(桜井線)奈良(大和路線)天王寺(大阪環状線、西九条経由)京橋(片町線)木津(関西本線)柘植(草津線)草津(琵琶湖線)山科(湖西線)近江塩津(北陸本線)米原(東海道本線)岐阜(高山本線)猪谷(高山本線)富山(北陸新幹線)金沢(北陸本線)敦賀(小浜線)東舞鶴(舞鶴線)綾部(山陰本線)京都(京都線)新大阪(山陽新幹線)西明石(神戸線)尼崎(福知山線)福知山(山陰本線)鳥取(因美線)東津山(姫新線)姫路(山陽本線)相生(赤穂線)東岡山(山陽本線)岡山(津山線)津山(姫新線)新見(伯備線)倉敷(山陽本線)三原(呉線)海田市(山陽本線)広島(芸備線)備中神代(伯備線)伯耆大山(山陰本線)益田(山口線)新山口(山陽本線)宇部(宇部線)居能(小野田線)小野田(山陽本線)厚狭(美祢線)長門市(山陰本線)幡生(山陽本線)下関(山陽本線)門司(鹿児島本線)西小倉(日豊本線)都城(吉都線)吉松(肥薩線)隼人(日豊本線)鹿児島(鹿児島本線)川内(九州新幹線)新八代(鹿児島本線)久留米(久大本線)夜明(日田彦山線)田川後藤寺(後藤寺線)新飯塚(福北ゆたか線)折尾(鹿児島本線)吉塚(福北ゆたか線)桂川(原田線)原田(鹿児島本線)博多(九州新幹線)新鳥栖(長崎本線)肥前山口(佐世保線)早岐(大村線)諫早(長崎本線)肥前山口
(2022年2月・BRT除外JR版最長片道切符ルート)
これはJRのみ、かつ鉄路のみ利用で最長となるルート。総延長10717.0キロ。
実際には不通区間は代行バスとなるので、100%鉄路というわけにはいかない。
宿泊について
宿泊はビジネスホテル、カプセルホテル、ネットカフェ、ドミトリー、ゲストハウス、旅館。
(稚内)→新旭川→網走→帯広→札幌(4)→青森→秋田→横手→福島→寺尾→上越妙高→新前橋→南浦和(2)→北朝霞→松田→八王子→塩尻→松阪→和歌山→山科→高山→金沢→東舞鶴→新大阪→福知山→相生→広島→米子(2)→浜田→居能→小倉→佐伯→京町温泉→鹿児島中央→熊本→博多→諫早→(肥前山口)
札幌では大雪に降られ交通がすべてダウンしてしまい、5日間の足止めを余儀なくされた。
南浦和では一度帰宅し、1日休んでから旅行を再開した。(関東近郊では自宅まで帰って自宅泊)
米子では滞在したサウナ施設が気に入ったので、2日間滞在した。
序盤駆け足になってしまった分、後半の西日本から九州にかけては観光する時間もとりながら比較的ゆっくりめ(当社比)で旅行した。
ホテル
東横インが35歳以下35%オフのキャンペーンをやっていて安かったので、ホテルは主に東横インを使用した。大体シングル1泊無料朝食バイキング付きで2700〜3200円くらいで泊まることができた。安くない!!?
無料朝食バイキングはスーパーホテルよりは品数の少ないシンプルなものであるが、この値段にして充分すぎる。非常にお得感があった。
東横インに泊まった日は、朝食バイキングでお腹を満たしてから出発することでその日の食費をセーブすることができた。
ネットカフェ
翌日の出発が早い日は、ホテルに泊まると損した気分になるので、ネットカフェを使用した。快活CLUBがお気に入り。
快活CLUBはドリンクバーと雑誌漫画はもちろん、シャワー無料、ソフトクリーム食べ放題、朝は食パン食べ放題という素晴らしいネットカフェチェーン。学割で会計から常時20%OFFなのもありがたい。
そして何といっても快活CLUBは、飲み放題のオレンジジュースが果汁100%のミニッツメイドなのである。これがデカい。変なところだとまっずい果汁4%くらいのジュースしかないところもあるが、快活はどこに行っても果汁100%のオレンジジュースを好きなだけ飲むことができる。
昔は朝ポテトも食べ放題で重宝していたが、最近はポテト危機の影響で中止になってしまった。ソフトクリームはあまり美味しくない店舗もあれば、普通に金取れるくらいに美味しい店舗もある。
最初はナイトパックのフルフラットシートにしていたが、大体隣のおじさんのイビキが凄まじくてあまり寝られないので「どうせ寝られないなら安いほうがいいか」ということで途中からはオープン席(飲み放題カフェ席)で夜明かしすることにした。
ナイトパック8時間で学割20%OFFで800円くらいが相場か。椅子なのでゆっくり寝ることは当然できない。
まともに寝られないので、翌日の移動中には爆睡してしまう。
流石にネットカフェ連続はしんどいので、ネカフェ宿泊の翌日は必ずホテルにした。
ドミトリー・ゲストハウス
ドミトリーはトイレ・シャワー共用の簡易宿泊施設である。古い言い方では木賃宿ともいう。
カーテンでベッドの部分が仕切られているのみで、防音性などはないので自由に音を出すことはできない。
プライバシーやセキュリティは弱いが安くベッドで横になることができる。
ゲストハウスの場合はそこで生活している人がいるので、共用キッチンや冷蔵庫があるのが特徴。
あるゲストハウスでは、共用スペースにあったテレビで(宿泊者なのかそこで生活していたのかは定かではない)おじさんと一緒にENGEIグランドスラムを見てゲラゲラ笑っていた。
それからゲストハウスのオーナーさんはたいてい死ぬほど親切。
カプセルホテル
カプセルホテルはある程度大きな都市にしかない。政令指定都市レベルの都市のカプセルホテルは安いのにめちゃくちゃ綺麗で快適なのでおすすめ。
特に完全無人受付のカプセルホテルは、体験として泊まってみる価値があると思った。
旅館
今回は旅館にも1回泊まった。
旅館は高齢の女将夫婦が切り盛りしている場合が多く、後継者不足で廃業が続いている。泊まるなら今のうちだと思う。大きいところではなく、個人経営のこじんまりした旅館がよいだろう。
旅館は高いうえに部屋は古めかしくて煙草のにおいがするし、風呂も到底きれいとは言えない。(合宿所のようなものだ)
トイレにウォシュレットなんてあるわけない。ここら辺を味があると評価できないなら断じて泊まるべきではない。
きれいなホテル!おいしいごはん!仲良しの友達とキラキラ旅行☆ストーリーだよみんな、いぇーい!系の方々は、不幸になるだけなので旅館に泊まるのはやめたほうがいいだろう。
風呂場にシャワーがなくても
うわマジか、シャワーないわ!ww桶で頑張るしかないやんw
OKOK、オケだけにwww
と興奮してしまう貴方。
ようこそ。こちら側の世界へ。
旅館の醍醐味は温泉と、食べきれないほどの料理と、軋む床である。
温泉については、旅館の先代がいい温泉の湧く場所に旅館を建てている場合が多いため、どんな温泉地の外湯よりも一級品である。もちろん源泉かけ流しで、新鮮な温泉を独り占めできる。
料理は本物の地元の料理を、たいてい食べきれないくらい出してくれることが多い。「少な目でお願いします」と言って、120%満腹になるくらいの量が出てくると認識しておけばよい。
見たこともないような料理も出てくるが、食べてみるのも体験料として代金に含まれていると思って、食べてみることだ。(今回はタコの刺身みたいなものが出てきて、Googleレンズで調べたらナマコだった。正直美味しくはなかった)
古い旅館は築年数も重ねているので、歩くたびに床がギィギィと軋む。ジャンプしたら抜けてしまいそうだ。
床が軋むほどの古い建物に泊まれていることにワクワクしてしまうよね。
食事について
食費は基本的にはケチケチの対象となる。旅行中は常に腹ペコであった。
18時〜20時くらいにスーパーに行って見切り販売のお惣菜を買ったり、定食を頼むとご飯がおかわり自由なチェーン店を活用したりと、なるべく少ないお金で最大限にお腹が満たせるようにした。
Pascoの8本入りスナックパンにはお世話になった。たった150円で一日もつ。
期限が近いと100円になっていることもあるので積極的に狙っていた。
モデルケース①
東横インの無料朝食(8時)→吉野家チーズ牛丼(21時) 食費544円
モデルケース②
おにぎりとパン(11時)→せんべい(14時)→ラーメン(20時) 食費1,042円
モデルケース③
東横インの無料朝食(9時)→快活CLUBのソフトクリーム(23時) 食費0円
モデルケース④
チキンカツロール(11時)→喜助牛タン特切り厚焼定食(17時) 食費2,473円
観光について
きっぷの期限には余裕があるので、こんなとんでもないきっぷの旅をやろうとしている移動オタクにとっては、牛の歩みで行程を進めても問題なくゴールできるだろう。
せっかく日本を隅々まで周るわけだから、自分の興味のある場所や行ってみたかった場所は積極的に訪れてみるべきである。
日本三景(松島・天橋立・宮島)、東尋坊、それから知覧(鹿児島県)の特攻平和会館は、あまり観光に興味のない私でも訪れるべき観光地だと思ったので、おすすめ。
(宮島についてはここ最近改修工事をしているので、残念観光地のひとつになっている)
あくまで個人的なおすすめではあるが、有名観光地や温泉地は人が多すぎるし、入場料とられるしであまりゆっくりできない。
現地で観光パンフレットを見たり、事前に地図を見て山奥の景勝地を見つけるなりして、人気(にんき・ひとけ)のないスポットを見つけておくとよいだろう。
特に温泉でゆっくりしたい場合は、誰でも知っているような温泉地はダメだ。人が多いのでどこの温泉も塩素消毒・加温循環でくつろげない。
初めて聞いたようなひなびた温泉地に行くと、外湯も源泉かけ流しだったりするのですばらしい。たいてい地元のおじさんしか人はいないので、おしゃべりに花が咲くことだって往々にしてある。
後悔
もっと下車印をもらっておけばよかった
きっぷの性質上、駅員さんに「なにこれ...?」みたいな反応をされることもあれば、「最長片道切符ですね」みたいな反応をされることもある。
特に「なにこれ...?」みたいな反応の駅員さんの場合は、きっぷを見せただけでは何の処理をしたらいいか分からず困惑してしまうようなこともあった。
その場合は、「下車印を頂けますか」と申告して、下車印を捺してもらうとスムーズである。駅員さんも、こいつ途中下車したいんだな、ということがはっきりわかる。
きっぷを普通にみせるだけで、経路や期限を確認せず改札を通してくれる駅員さんにも、少々面倒だが下車印を捺してもらうように頼むのがよいと思う。
下車印は単純に記念になるので、多く捺されていて損はないだろう。私はいちいち下車印をもらうのを面倒がった結果、最終的に押印されている下車印が少なくなって後悔した。
東日本をもっと観光すればよかった
今回は序盤急ぎ足になってしまったので、東日本を観光する時間を全くとらなかった。
しかしきっぷの有効期限は充分にあるので、東日本を観光する時間もあったなと後になって思う。
しかしながら東日本は厳冬期であり雪深いので、私が履いていた普通の運動靴で観光ができたのかどうかについてはわからない。
8時間以上もつワイヤレスイヤホンがあるとよかった
カプセルホテルやドミトリーでは音を出すことができないので、バイブアラームやイヤホンアラームを使って目を覚ますことになる。
特にバイブアラームの恐怖感はかなりある。スマホが寝床の中でヴーヴーヴーと震えていたって、気付くわけがないではないか。
その恐怖感からか、バイブアラームを設定しているときはだいたい設定した時間くらいに自然に目が覚めるので結果としてあまり問題はなかったが、、、
ということで、8時間以上バッテリーが持つワイヤレスイヤホンが1つあると、イヤホンでアラームがかけられて安心である。
私の持って行ったAirPods Pro君は、何も音楽などをかけていなくてもバッテリーが3時間くらいで切れてしまうので、睡眠時はあまり使い物にならなかった。
部屋干しをするな
部屋干しをすると衣類が臭くなるので、洗濯のときは乾燥機代をケチらずに乾燥機を使おう。
最長片道切符関連記事など:
前半の感想↓
後半の感想↓
ごはんの画像(飯テロ注意)↓
YouTubeにも旅行の行程をupしています。(英語)