山手線コンソーシアムで行ける図書館に全部行ったので、どこが良かったかまとめます。
総合ランキング(表)
総合的に良い図書館だなと思った順に上に並べた。
評価軸
蔵書の充実度
本棚を歩いた感じのジャンルと本の充実度と楽しさで相対評価
人文科学から自然科学まで、多くの学問分野の本が幅広く取り揃えてあると評価高い
総合評価の際に重みがついている
☆☆☆☆☆ 非常に多くの分野の教養書から専門書までを幅広く揃えている
☆☆☆☆ 非常に多くの分野の本を網羅している
☆☆☆ 蔵書にやや偏りがあるが、それ以外の本も置いてある
☆☆ 蔵書が文理系のある分野・領域に偏っているが、それ以外の本も置いてある
☆ 蔵書が特定分野・領域のみに著しく偏っており、それ以外の本が置かれていない
※「図書館は本との出会いの場である」という考えから、本が手に取りにくい書庫や集密書架(稼働書架)は評価対象としない(東洋大朝霞図書館を除く)
→したがって蔵書数と評価はそこまで大きく関係ない
施設の充実度
閲覧席のスタイルや多様性、ラーニングコモンズ、自習スペース、リフレッシュスペース、トイレ、通話ブース、その他施設の充実度とその綺麗さで相対評価
雰囲気
全体的な建物の外観・内観、構造、雰囲気で相対評価(例えば吹き抜けで開放的な作りになっていれば評価高い=雰囲気づくりの意識が感じられるため)
他大学の図書館と比べて固有の特徴がある場合に+をつけた
Tier
同じくらいの利用者体験ができる図書館の群を示す。1~5の相対評価。
Tierが同じ値はだいたい同じランクの図書館。特別魅力のある図書館は、Tierの値によらず総合順位を上につけた。
各大学図書館のレビュー
学習院大学図書館(目白キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆☆
施設の充実度
☆☆☆☆☆
雰囲気
☆☆☆☆☆
2023年4月に新築された11階建ての超立派な総合図書館。4階がいわゆるラーニングコモンズ、5・6階がメインフロア。7階は自習スペースになっていて、学習院のキャンパスと関東平野を望みながら自習できる。9階より上は書庫。上階を重たい書庫にする設計者のガッツに脱帽する。
全体的にとても静かで落ち着いた雰囲気。開架(集密書架を除く)の本と閲覧席は体感では立教池袋の方が多いと思う。本棚にはまだ余裕があってあと2倍は入りそう。リラックスして読書のできるソファも各所にある。各階のドアはおそらく防音仕様になっていて重たく開けづらくて、館内の移動はしにくい。冬はドアノブの静電気がやばそう。カフェ併設(タリーズ)。飲食可能なリフレッシュスペースもある。
目白キャンパスは広々として落ち着いたキャンパス。全ての建物が必ずしも新しいわけではないがこれぞ大学感があって好き。東大の雰囲気とちょっと似ている。
青山学院大学図書館 本館(新)(青山キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆+
施設の充実度
☆☆☆☆☆
雰囲気
☆☆☆☆☆+
2024年4月に開館した青学の新図書館。5フロア構成のスーパー図書館に生まれ変わっていた。2つの大吹き抜けを囲んで書架と閲覧席が並ぶ。書架のラインナップは旧図書館と変わらずで、児童書が多く並んでいるのが特筆に値する。また、キリスト教系の貴重書は博物館のような鍵付きガラスの専用コーナーに並べられていた。閲覧席の多様性は山手コンソ一番で、窓や吹き抜けに面したカウンター席、気軽に座れるベンチやチェア席、カフェのような雰囲気のオープン席、周りの目線を完全にカットするブース席など非常に幅広い。ニーズや気分にあった席を選べるのが良い。トイレもメガ進化しており、綺麗になっていたのはもちろん、私の好きな通路で目隠しして入口にドアがないタイプとなっていた。もうあのだるいドアノブを握らなくて済む。(旧図書館のレビュー参照)
青山キャンパスはハイカラと落ち着きが融合したような独特の雰囲気をもつ。学校の目の前にある1個10万円の高級ランドセル屋さんがこのキャンパスに通う学生の身分のすべてを物語る。
立教大学 池袋図書館(池袋キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆☆+
施設の充実度
☆☆☆☆
雰囲気
☆☆☆☆☆
総合図書館。2棟で構成されており、どちらも吹き抜けがあって開放的なつくり。充実した閲覧席が確保されている。レンガ造りの内外装と、書架の色が揃えられていて落ち着いた雰囲気がある。洋書・中国語など外国語資料も多い。オールジャンル充実している。小学館の図鑑Neoが専門書と並んで置いてあってポイント高い。どちらかというと学習院より本棚を練り歩いていて楽しい。文理の専門書を多く取り揃え、蔵書の充実度は山手コンソで体感トップ。本棚には分野のラベルがついておらず本はやや探しにくい。
池袋キャンパスは正門を入ると英国のカレッジのような雰囲気のある洒落た中庭がある。エントランスを抜けると現代風のビルヂングが立ち並ぶ、文化の交差点みたいなキャンパス。
東洋大学 白山図書館(白山キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆☆
施設の充実度
☆☆☆
雰囲気
☆☆☆☆
読書の楽しさを存分に感じられる図書館。1階は軽読書コーナーと称して、教養というか本屋さんに置いてあるような、あんまり直接学問とは関係なさそうな本が置いてあって見ていて楽しい。これはこの図書館の序章に過ぎず、2階3階は閲覧室と書架で、8段の荘厳な書架に多くの分野の本が並ぶ。各分野の層も厚くて専門書から一般書まで幅広くカバー。書庫は10段のたか〜い開架の本棚+集密書架で、手が届かない場所まで本がびっしり並んでいて開いた口が塞がらなかった。
白山キャンパスは空港のような雰囲気で構内は迷宮(ラビリンス)。
専修大学図書館 本館(生田キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆☆+
施設の充実度
☆☆☆
雰囲気
☆☆
もっとも大学図書館らしい図書館。施設の面では普通だが、蔵書ジャンル・厚みが光る。専門書を中心に幅広く取り揃える。見たことないような本が多くあって、歩いていて楽しかった。文庫本は本屋さんに匹敵するくらい置いてある。専修は文系の大学だが理系の蔵書もかなり充実している。広々としたつくりのラーニングコモンズは入館処理なしで利用でき、雑誌も置いてある。居心地よさそう。私がここの学生だったら授業時間以外は一生ここのラーニングコモンズにいると思う。
生田キャンパスは広い。石造りの建物やガラス張りの新館が多くだいぶお金がかかっている印象。駅から山登りが必要で図書館館内はなんとデータ通信圏外だった。キャリアのせい?
立教大学 新座図書館(新座キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆+
施設の充実度
☆☆☆☆☆
雰囲気
☆☆☆☆
充実した書架と閲覧席、枯山水のような中庭を囲んだ落ち着いた雰囲気が魅力の図書館。蔵書は文系中心に専門書から教養書まで幅広い。全体的にメディア論的な資料が多い印象で、映画美術アニメなどに関連した本が充実しているのは特筆すべきポイント。あとネカフェ並みにAV資料が充実している。理系の教養書や専門書も少ないながら置いてある。リフレッシュスペースで図書館を出ずに館内で飲食可能なのはポイント高い。長期滞在も快適。
新座キャンパスは駅からのアクセスは良くないが全体的にゆとりのある空間のキャンパス。このゆとりある感じが立教らしい。
明治学院大学 横浜図書館(横浜キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆+
施設の充実度
☆☆☆☆
雰囲気
☆☆☆
地上2階、地下2階建ての図書館。国際関係、教育などをはじめとして社会学系の本が充実しているが、他分野の本も満遍なく取り揃える。宗教やヨーロッパ系の本が多いのもミッション系っぽくて特徴的。本は専門書から教養書まで本当にバランス良い品揃えで、特に教養書が多い印象で本棚を見ていると楽しい。國學院たまプラーザ図書館の上位互換。
開架は本棚の配置が特徴的で、4つのブロックの外面と内面に本が陳列されており、本に囲まれた空間を楽しめる。閲覧席はコンセント完備の大机、窓際に配置されたカウンター席、ソファー席と充実。閲覧室の見晴らしがよく富士山が一望できるのもいいと思う。ラーニングコモンズは仮面ライダービルドの地下研究所みたいな雰囲気でホワイトボードの周りに椅子が配置されていてディスカッションしやすそうな作り。
一方でこの図書館のある横浜キャンパスは戸塚駅から30分ほど山登りが必要でここの学生はちょっと気の毒。
明治大学 和泉図書館(和泉キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆
施設の充実度
☆☆☆☆☆
雰囲気
☆☆☆☆☆
「入りたくなる図書館」がテーマの図書館で、その設計思想が随所に感じられた。グループ学習できるスペースはエリアが区切られていて、ちょっとみんなで勉強しようぜみたいな時にじゃ図書館行こう!となりそう(私はその経験はないけども)
建物は独立地上4階建てでフロアごとに静粛性でゾーニングされており、上の階に行くほど静かになる。吹き抜けやガラス張りの書庫、高い天井と開放感あふれる造り。本棚は斜めに配置されていて本を見ながら歩きやすい。それから閲覧席のバラエティーがすごい。よくある大きな机の閲覧席はなく、個別席が中心で、集中して閲覧・勉強できる。ラウンジのようなソファやチェアも充実しておりさながらホテルのよう。
蔵書は人文科学系が中心で、自然科学系の本はかなり少ない。厚みについてもやや物足りない部分はあるが、どの本棚にも新しい本が多く、本屋を歩いているような感覚になるのが魅力。
和泉キャンパスは建物の配置の仕方があんまりな感じがするが図書館をはじめ建物はかなり綺麗。
青山学院大学 万代記念図書館(相模原キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆
施設の充実度
☆☆☆☆
雰囲気
☆☆☆☆☆
非常に綺麗で明るくて落ち着きのある図書館。3階まで続く吹き抜けを囲むような配置となっており立教池袋の雰囲気と似ている。書架は比較すれば多い方ではないが、理系の本から社会学系の本まで揃う。専門書と教養書のバランスもいい。椅子の形が独特でとても座りやすい。
相模原キャンパスは統一感のある新しい建物群が目を惹く。図書館の入っているメディアセンターは正門から中央に伸びたメインストリート?の先にあり、その佇まいは圧巻。格の違いをまざまざと見せつけられる。私の知っている大学キャンパスの中で一番羨ましい。
明治大学 中央図書館(駿河台キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆
施設の充実度
☆☆☆☆
雰囲気
☆☆☆
明治駿河台のシンボル、リバティタワーの中に入っている。地下4階建て。地下にあるのに大きな階段の吹き抜けから採光されて光が地下に入っていく意匠的な造り。蔵書の傾向は各分野無難な感じで揃っていて法政市ヶ谷と性格が似ているが、法政よりは充実していると思う。
駿河台キャンパスはキャンパスが想像以上にせまかった。めいじろうがかわいい。
法政大学 市ヶ谷図書館(市ヶ谷キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆
施設の充実度
☆☆☆☆
雰囲気
☆☆
施設は80年館で40年ちょっと前の建物だが、トイレなどの内装はリニューアルされている。蔵書は各分野揃っており、そこそこ充実している印象。文系キャンパスだが理工系の本も多少はある。開架は長めの書架がズラズラズラと並んでいる。3階はおそらく山手コンソ最大の広々とした自習スペース。館を出ずに飲食できるスペースもあり加点。
市ヶ谷キャンパスは狭いながら縦に長く敷地を有効に使っている。綺麗な校舎がミッチミチに立ち並ぶ都市型キャンパス。授業のある日は人でごった返す。
東洋大学 川越図書館(川越キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆
施設の充実度
☆☆☆
雰囲気
☆☆
川越キャンパスの中心に位置している。建物は五角形でペンタゴンのようだが、その名に恥じない立派な図書館。東洋大川越キャンパスは理工学部と総合情報学部の所属する理系キャンパスだが、理系の本以外にも文学や心理学、教育学など人文科学系の本もそこそこ置いてある。特に文学は日本文学から海外文学まで幅広く所蔵していて驚いた。理系の本も多分野あって層が厚く、特に物理や機械系、電気、化学、建築系などが充実。洋書が多いのもすばらしい。自然科学よりはやや工学や実学よりな蔵書になっている。本棚はどの分野も教養っぽい本より専門書が多い印象で、勉強には使いやすそうだが、勉強嫌いには楽しくないかも。目的を持って利用する分には最高の図書館といえる。建物や施設は決して新しくはないが、古さは感じない。中央の吹き抜けの上にある大きな天窓から光が差し込む。吹き抜けを取り囲むように並んでいる閲覧席もほどよく集中できそうでナイスな配置。
川越キャンパスは森の中にある。本当に森の中にあるのでハイキングしないと建物につかない。
明治学院大学 白金図書館(白金キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆
施設の充実度
☆☆☆
雰囲気
☆☆☆☆+
2階〜7階の大きな図書館。大きな建物「本館」の中にあり、独立した図書館棟ではない。照明が丸いランプになっていたり、書架やデスクの色が統一されていたりと、エントランスから内装まで西洋レトロな雰囲気作りが徹底されており、他の大学図書館と比べて異彩を放つ。蔵書は扱っている範囲はやや狭いが、社会学や法律学、経営学、宗教学などを中心に狭く深いラインナップ。専門性が高い文系図書館になっている。上階2階は丸々洋書のフロアになっている。
白金キャンパスは赤煉瓦造り調の建物が多くて外から見ると異国のような雰囲気がある。食堂の天井の高さは圧巻。
東洋大学 赤羽台図書館(赤羽台キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆
施設の充実度
☆☆☆☆☆
雰囲気
☆☆☆☆☆
MoMAのようなモダンな図書館。完全個室の自習室、個別ブースの閲覧席やソファ、昇降式デスクまであって施設面で非常に充実。1階の児童書が置いてある区画は靴を脱いで利用する子ども図書館となっていた。蔵書のジャンルが学部ごとに階を分けてゾーニングされているのも使いやすいと思う。
社会学、教育学、健康学などをはじめとして、学部の専門分野に関する本は新しい本まで充実している印象だが、それ以外は更新があまり入らないのかちょっと古い本が多いかも。自然科学系の本とかは特にそんな印象があった。子ども向けの図鑑が一般書架に置いてあるのは立教池袋同様ポイント高い。
赤羽台キャンパスはすべての建物がアホみたいに綺麗。
青山学院大学図書館 本館(旧)(青山キャンパス)※廃止
蔵書の充実度
☆☆☆☆+
施設の充実度
☆☆
雰囲気
☆
施設はやや古いが、内装は綺麗。入ると事務所とレファレンスカウンター。入って右手に参考書コーナー(辞書事典系)。2階3階は和書でB1階が丸々洋書。書架の配置は各階とも2 x n の形でズラッと並んでいてシンプル。紙芝居とか児童書が並んでいたのがおもしろい。キリスト系の大学のため聖書とか諸外国系の本が充実している印象。楽譜とか児童書もあった。理系の本はやや少ない。
あとトイレは普通に古い。ドアノブがつかんでひねらなきゃいけないだるいやつ。
2024年4月から新図書館になる。
東洋大学 板倉図書館(板倉キャンパス)※廃止
蔵書の充実度
☆☆☆
施設の充実度
☆☆☆
雰囲気
☆☆☆
2階建ての図書館。コンクリート造りで、窓が大きくて広々としたつくりになっている。ラーニングコモンズがめちゃ広い。閲覧席も多く取られており、個別ブースや目隠しがあったりと、学校の自習スペースとしての機能を兼ねている。本棚に並んでいる本はカバーが取られているものが多くて本棚は全体的にくすんだ色合い。目的が決まっていないと本は探しづらいかも。
板倉キャンパスは生命科学部、食環境科学部が学ぶキャンパスで、栄養学、生物学といったような、人の身体に関連した本が多い。管理栄養士を目指す学生が多いようで、関連の対策本がまとまって並んでいたり、学習に役立つ本が区別されて表示してあったりする。人文科学系・自然科学系も目ぼしい本は揃っている。文学はちょっと少なめかも。
板倉キャンパスは群馬県にあり(あった)、とにかく都心から遠すぎ。司書さんに「山手線コンソで訪問される方ってどのくらいいらっしゃいますか」と聞いたら「滅多にいない」と言われた。2024年4月から朝霞キャンパスに移転。
明治大学 生田図書館(生田キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆
施設の充実度
☆☆
雰囲気
☆☆
明治大学の理系図書館。農学部があるため、農学や生化学系の本が多く置いてあるのが特徴。あまり見ないジャンルなので新鮮だった。全体的な蔵書ジャンルは理系によっていて、人文科学系の本は少しあるのみ。軽読書コーナーがあったり、文庫本や文学作品が充実していたりと、専門性を持ちつつも楽しく実用的な図書館。理系の中でもジャンルは結構絞られている感じがするが、書庫も含めれば専門書から教養まで蔵書の厚みは十分にある。施設は古さが少々目立つが、2025年4月に現在建設中の新中央棟内に移転予定。
生田キャンパスはいかにも工学部らしい雰囲気のあるキャンパス。工事中で、2025年4月に新中央棟が竣工すると雰囲気がガラッと変わると思われる。
國學院大學 たまプラーザキャンパス図書館(たまプラーザキャンパス)
蔵書の充実度
☆☆☆☆
施設の充実度
☆
雰囲気
☆
たまプラーザキャンパスは教育系の学部が学ぶキャンパス。紙芝居や絵本も含めた教育系の本を中心に、さまざまなジャンルをまんべんなく蔵書している。蔵書数は多くないが本の選び方のセンスがすばらしい。多くの分野の面白そうな本や入門書を広く浅くうまく網羅している。先生になるために必要な教養が身につくような蔵書を意識しているのか、手に取りたくなるような本が多く、本棚を練り歩いていると楽しい。専門書は少なめ。ついたてで囲われただけのエリアがグループ学習スペースとして割り当てられており、「会話は小声で」と書いてあってそこはちょっと無理があるなと思った。平日に訪問したが利用者は数人程度しかいなかった。
たまプラーザキャンパスは丘陵地にあって建物が建てづらそうだが高低差を利用してうまく校舎が建っている。
法政大学 多摩図書館(多摩キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆
施設の充実度
☆☆☆
雰囲気
☆☆☆
社会学に特化した図書館。天窓のついた大きな吹き抜けを囲むような作りになっていて、全体的に広々としている。吹き抜けを囲むように配置された3階のカウンター閲覧席はかなり居心地がいい。メインフロアは2階で、3階は学習スペース。1階は参考図書などが並べられている。書架はかなりスカスカな(言い換えればキャパがある)印象。ジャンルも細かく分けられていて本が探しやすそうだが、蔵書の分野はだいぶ社会学によっている。社会学やそれに関連する本は非常に充実しているが、それ以外の分野の本は文理関係なくかなり少ない。
一方で荷物をロッカーにしまって入構手続きをすると入れる地下書庫(評価対象外)は迷子になるほど規模が大きく、もはやこっちが本体。あらゆる分野の本が和書洋書とも非常に豊富に収蔵されている。しかし基本的に電気は消灯されており、お目当ての書架だけ電気をつけるシステムで、いろいろ見ながら本を探す場所ではない。一般書も多く並べられており、普通に上の階の本棚スカスカなんだからめぼしいやつはそこに並べたらいいのにと思った。法政大学図書館は全体での蔵書数は決して他大学と比較して少ないわけではなく、むしろかなり多い方だが、とりあえず必要な本は置いてあるからあとはOPACで探せやタコみたいな考えのもとで運営されている気がする。本棚を歩いて背を見て出会う本もたくさんあると思うので、この方針には賛同できない。
多摩キャンパスは都内にあるにもかかわらず随一のアクセスの悪さ、そして市ヶ谷と比較して金のかかってなさ。ただ学内は無駄に広く、昼寝できそうなスペースがいっぱいあるのでゆったりしたキャンパスライフを送れそう。(昼寝できる場所があるのは結構大事)
國學院大學 渋谷キャンパス図書館(渋谷キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆
施設の充実度
☆☆☆
雰囲気
☆☆☆
吹き抜けをコの字型に囲んだ開放的なつくりの図書館。吹き抜けの下の階から図書館の書架が見えておしゃれ。図書館の外(1階)のラウンジスペースには外からの視線を遮り、落ち着いて本を読めるベンチがあって素敵(ただそこに入るのに頭をぶつけそう)。
図書館は人文科学系の蔵書が中心で、閲覧室は特に歴史・史学に関する本が充実している印象。普通の開架に貴重書っぽい本が普通に並んでいるのが特徴的。一般書架の蔵書数は少なめだが、地下書庫は合計150万冊収蔵可能で、すごいらしい。
陽が指す窓際に書架がある区画があり、本が焼けそうだなと思った。カフェ併設(Key Coffee)。
渋谷キャンパスは広くないが開かれていて最近の大学らしい雰囲気がある。学食がそこそこ安い。
専修大学図書館 Knowledge Base(神田キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆
施設の充実度
☆☆☆☆
雰囲気
☆☆☆
140年記念館というむちゃくちゃ新しくてきれいな建物の中に入っている図書館の分館。ソファがあったり防音ブースの閲覧席があったりとニーズに合わせて利用できそう。
書架の規模はそれほど大きくないが経営学や社会学系の本を中心に新しい本を多く揃えている。理系の本、人文科学系の本も少しある。
140年記念館はメインの校舎群とは少し離れたところにあって、めちゃくちゃ綺麗。
専修大学図書館 神田分館(神田キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆
施設の充実度
☆☆
雰囲気
☆+
元々法律の学校だけあって、法律系の本が非常に充実している。新しい本が学習スペースに分けて配架されているのがいいと思う。雰囲気は一昔前の大学図書館って感じで、今どきの新しい図書館とは違った良さがあって私は結構好き。ただここの学生は古臭くて嫌と思ってそう。
神田キャンパスは全体的に古めかしく2世代前くらいの大学の雰囲気。でもこの雰囲気、私はかなり好き。特に地下にある学生ホール。低い天井に所狭しと並べられた机、集まって談笑する学生たち、壁掛けのデジタル時計、ムワッとした活気のあるあの雰囲気は貴重。あれは大事にしてもらいたい。
学習院大学 法経図書センター(目白キャンパス)
蔵書の充実度
☆
施設の充実度
☆☆☆
雰囲気
☆☆☆
法学部・経済学部生向けの図書館だが、コンソーシアムでも入館させてもらえる。3フロア構成で中央に吹き抜けがあり雰囲気のいいつくり。本棚には法学・経済学に関連した本が並ぶ。見た感じ新しめの本が多いのも特徴。開架の蔵書数としてはあまり多くなく、閲覧席やグループ学習室といった学習スペースが中心。法学部・経済学部が使う棟の中にあるので、学生はここに気楽に立ち寄って本を探したり勉強することができるだろう。お隣が立派な図書館本館なのでもっと広い分野の本が見たいときにも便利だと思う。単体での評価は低くなってしまうが素晴らしい存在意義をもつ図書館。学習院にはこのほかにも理学部図書館があり、そこはコンソーシアムでは入れない。
東洋大学 朝霞図書館(朝霞キャンパス)
蔵書の充実度
☆☆
施設の充実度
☆☆☆
雰囲気
☆☆☆☆☆
板倉キャンパスが朝霞キャンパスへ移転したことでフルリニューアルした新しい図書館。館内は狭いながらも、個別ブースタイプの閲覧席、カウンター席、防音個別ブース、ロッキングチェア(揺れる椅子)などがあって居心地がいい。ただ館は1フロア構成でそもそも規模が小さく、閲覧席も少なめなので混んでいる。書架は7割が稼働書架で、蔵書数は少なく専門書が中心。旧板倉図書館と同じ規模の蔵書数というが板倉図書館よりも少ない印象。ただその割には分野は広めに揃えている。図書館というよりミニオシャレ図書室。入り口前にカフェあり。
朝霞キャンパスは最近再開発されたキャンパスで、体育棟?を除くすべての建物が新しい。広大なグラウンドをもつ。せっかく再開発したんだから図書館も3フロアくらい取ればよかったのに。板倉図書館が立派だったのに比べ、惜しまれる。
法政大学 小金井図書館(小金井キャンパス)
蔵書の充実度
☆
施設の充実度
☆☆
雰囲気
☆
私はここの学生だが、客観的に見ても山手コンソで一番残念な図書館だと思う。
まず図書館というより大図書室。1階の第2閲覧室がメインフロアであるが、本棚が少ない。壁沿いにしか本がない。練り歩ける本棚がない。物理的な蔵書スペースが限界に近づいており、分野の同じ本が別々の場所に置いてあったりと不便。12万冊所蔵しているらしいが、おそらく閲覧室には3~4万冊くらいしかないだろう。蔵書は理工学分野に絞られており、人文科学系の本はほぼ皆無。なお、理系の本に限って見ても、他大学の総合図書館(立教や学習院)と同等かそれ以下の厚みしかない。特に大型本がほぼ置かれていないのは特筆すべき。専門書以外を見れば理系の蔵書すら他大学の文系図書館に劣る。小金井キャンパスは法政大学の理系学部が集結しており、この狭いスペースの中で関連の本を網羅する必要があるため(網羅できてないが)、分野外の本を置くスペースも予算もないのだろう。法政大学はいたずらに学部学科を増やす前に図書館の規模を見直すべき。
下1階は書庫で集密書架となっているが、古い本が多く、品揃えはあまりよくない。3階はただの自習室になっている。申し訳程度に設置された2つのサンクンガーデンは使っている人をほとんど見たことがないし片方は立ち入り禁止の謎スペースになっている。さらにトイレが館外にしかないため、用を足すときは一旦退館する必要がある。どうしてあんなに広い中庭が持て余されているのに図書館がこんなに隅に追いやられているような形になっているのか理解できない。中庭に図書館棟の建築を望む。
図書館で大学を選ぶなら
山手線コンソーシアムはおそらく日本最大の大学図書館利用協定なので、どの大学に入ってもその恩恵を受けることができるが、やはり最もよく使う自分の所属キャンパスの図書館が充実しているのが一番いい。
一推しは二つ(矛盾)、立教池袋か学習院。どちらのキャンパスにも最強の図書館がある。この2校は目白と池袋で近く独自に相互協定しており、試験期間中でもお互いの図書館を利用できるので、最強×最強(普通はどこの大学も試験期間中は外部利用者は入れてもらえない)。さらにどちらも1キャンパスの中に理系と文系の学部があり、図書館に幅広い分野の蔵書があるのもポイント。立教は新座の図書館も綺麗。学習院は山手コンソ以外にも提携校が多いのでいろいろな図書館に行ける。
次点で青学、明治。この2校も図書館にすごく力を入れている。青学はどちらの図書館も新しく、充実した施設が大きな魅力。明治も和泉図書館を筆頭に全体的に施設が新しい。25年からは生田図書館も新しくなるので、どのキャンパスに所属していても綺麗な図書館を楽しめる。
生田キャンパス所属学部であれば専修、白山キャンパス所属学部であれば東洋も検討の余地が大いにある。専修の生田図書館、東洋の白山図書館はコンソーシアムきっての大規模図書館。専修はお隣が明治のキャンパスなので明治の生田図書館使えるのもいい。キャンパスが駅から遠いのだけが難点。
歴史が好きなら國學院の渋谷図書館は天国だろう。俺は和書になんて興味ないという英強の人なら明治学院の白金図書館は雰囲気を含めて楽しめるはず。
また、明治・立教・法政はすべてのキャンパスの図書館を土日も開けている点を評価したい。
山手線コンソーシアムから外れると(関東なら)早稲田・慶應、一橋が図書館においては強い。早稲田と慶應はそれぞれが立派な図書館を持っており、相互協定で互いの図書館を使える。関西にも提携校あり。一橋は自身の図書館に加えて早慶の図書館、それから科学大(東工大+医科歯科大)と外大の図書館も使えるので最強。これら3校は連合なのでもしかしたら科学大と外大の学生も早慶の図書館を利用できるかもしれない(未検証)。東大は日本最大の図書館蔵書数を誇るが、図書館提携校が米国ハーバード大しかないことに注意。別の学校の図書館を使ってみたいなと思ったら太平洋を横断する必要がある。日大も蔵書数が多い大学だが、日大はキャンパスが分散しているので図書館はちょっと使いづらそう。日大生じゃないので本当のところはわからないけど。
補足と感想
- 青山、立教以外は申請すればライブラリーカードを発行してもらえる。ライブラリーカードをゲートにかざすことで、2回目以降は手続きなしで図書館に入場できる。青山と立教は図書館利用時に都度記帳が必要。貸し出しカードは作成可能。